施工実績
資格を持つ者による操作と安全行動の基本
ゴンドラの操作は、国が定めた「ゴンドラ取扱い業務特別教育」を修了した資格者のみが行うことが義務付けられています(第12条)。また、操作中の作業員は、絶対にその場を離れてはならず(第15条)、常に装着義務のある保護帽、安全帯、命綱を正しく使用する必要があります(第17条)。基本を徹底することが、重大事故を未然に防ぐ最初の一歩であり、現場全体の安全につながります。
作業環境と荷重制限の厳守
ゴンドラには、定められた積載荷重があり、これを超える重量をかけて使用してはなりません(第13条)。また、作業床の上で脚立やはしごなどを使用することは禁止されており、転倒や落下などの二次災害の要因となる行動は厳しく制限されています(第14条)。安全性を損なう何気ない一動作が大事故につながる可能性があるため、常にルールを遵守し、無理な作業は絶対に避けるよう指導しています。
チーム作業における合図と立入禁止措置
複数人で作業を行う際には、ゴンドラの操作に関する合図者を事前に指名し、あらかじめ決めた方法で確実に合図を行う必要があります(第16条)。連携ミスを防ぎ、意思疎通の精度を高めるための重要なルールです。また、ゴンドラ設置作業や稼働中の作業場所の下には、通行人や他作業員が入らないよう「立入禁止措置」を徹底します(第18条)。全体の安全管理を視野に入れた配慮が求められます。
悪天候時の作業中止と基準の明確化
風雨や積雪といった悪天候時には、ゴンドラ作業は中止しなければなりません(第19条)。作業の強行は重大な転倒・落下事故を引き起こす恐れがあります。「強風」とは平均風速10m/s以上、「大雨」は降雨量50mm以上、「大雪」は積雪25cm以上を指し、これらの条件が予測される段階でも作業は禁止されます。作業者の命を守るため、天候による判断は慎重に、そして確実に行います。
定期検査と作業前点検の重要性
ゴンドラの設置完了後は、月に1回以上の定期自主検査を実施することが義務付けられています(第21条)。加えて、実際に使用する日の作業開始前には、毎回設置状態の点検を行い、部品の劣化や緩み、操作異常がないかを確認します(第22条)。見落としが事故の引き金となるため、点検・検査は慎重かつ丁寧に。安全な施工環境は、こうした地道な確認作業の積み重ねによって守られています。